障がいがあることで、「働くこと」に対して不安を感じている人は少なくありません。
でも、「働きたい」という思いは、誰もが心の奥に持っているものです。
この記事では、神奈川県小田原市の郊外に位置する「鴨宮」という地域で、障がいのある方々が地域とつながりながら、毎日を一歩ずつ前に進めている作業所の取り組みをご紹介します。
地域とともに歩むこの作業所の物語には、「共に生きる社会」へのヒントが詰まっています。
障がいのある方が働く場所といえば、就労支援施設が思い浮かぶかもしれません。
なかでも「就労継続支援B型事業所」や「就労継続支援A型事業所」と呼ばれる施設は、比較的軽作業や自分のペースに合わせた仕事が可能な場です。
障がいの状態に応じた仕事を用意
通所型で、通勤のリズムが身につく
作業に対して工賃(給料)が支払われる
スタッフのサポートが常時ある
こうした特徴により、社会とのつながりを感じながら、無理のない形で「働く」ことができる場所として、多くの方が利用しています。
鴨宮は、住宅地と自然がほどよく調和する、静かで落ち着いたまちです。
大型店舗や学校も点在し、地域住民が顔を合わせる場面も多いこの土地では、「障がいのある人が地域の一員として暮らす」ことへの理解も少しずつ深まっています。
地元の企業からの作業依頼
フリーマーケットやマルシェへの出店
近所の方からの野菜や古布の寄付
小学生との交流イベント
こうした交流のひとつひとつが、作業所の存在を地域に根づかせ、「あの人たちがいるから街がにぎやかになる」と思われるようになってきました。
鴨宮の作業所では、障がいの特性や興味関心に合わせたさまざまな仕事が用意されています。
軽作業(シール貼り、封入作業など)
清掃作業(施設内や公共スペースの清掃)
農作業(季節の野菜づくりや草取りなど)
クラフト制作(小物やアクセサリー作り)
リサイクル品の分別や販売
ときには、地域のお祭りやバザーで作った商品を販売することもあり、「自分がつくったものが売れる」という経験が大きな自信につながっています。
作業所を支えるスタッフは、ただ指導するのではなく、一緒に悩み、喜び合う仲間のような存在です。
作業の指導・補助
日常生活のサポート(健康管理や通所支援)
ご家族との連携
就職に向けたサポートや相談対応
また、悩みや不安を言葉にしづらい利用者の“変化”にもいち早く気づき、寄り添う姿勢が信頼関係を築いています。
鴨宮の作業所では、地域社会とのつながりが非常に大切にされています。
ただ「作業を提供する」場所ではなく、「地域の中で活躍できる人を育てる」ことが目的なのです。
利用者の中には、最初は不安でいっぱいだった人もいます。
しかし、毎日の小さな成功体験を積み重ねていくうちに、次第に笑顔が増え、自信を取り戻していく人が少なくありません。
「毎日決まった時間に通えるようになった」
「作業の手順を覚えて、人に教えられるようになった」
「将来は一般就労に挑戦してみたいと思えるようになった」
そうした“心の成長”こそが、作業所の持つ力です。
働くことは、ただ生活のためだけではなく、自分らしさを表現する手段でもあります。
作業所という場所は、障がいのある方にとって、「働くとは何か」を見つけるきっかけとなる、かけがえのない第一歩です。
鴨宮の作業所は、これからも地域と連携しながら、利用者一人ひとりが輝ける「次のステージ」への架け橋となっていくことでしょう。
障がいがあっても、「働くことをあきらめたくない」。
その想いに応える場所が、鴨宮の作業所です。
地域とともに歩むこの場所には、利用者・スタッフ・地域の人々の思いやりと信頼があふれています。
そして何より、「みんなが誰かの役に立っている」と実感できる環境があります。
私たち一人ひとりができることは小さくても、つながることで大きな力になります。
“ともに生きる社会”を目指す未来のために、作業所は今日も静かに、力強く歩んでいます。
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