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真っ暗な菌床から生まれる希望〜就労訓練の日々

こんにちは!みなさん「キノコ栽培」って聞くと何を思い浮かべますか?実は私、就労訓練でキノコの菌床栽培に携わることになって、人生観が変わるほどの体験をしたんです。

最初は「暗くて湿った場所で地味な作業…」と正直ため息をついていた私。でも、真っ暗な菌床から少しずつ芽吹くキノコの姿に、自分自身の成長と重なる瞬間があって!それが本当に心に響いたんです。

「自分には無理」と諦めていた私が、意外な才能を発見したり、小さな成功体験を積み重ねていく過程は、就労支援を受けている方や、新しいことに挑戦したい方の参考になるかもしれません。

菌床と向き合う日々で学んだ「待つ力」や「信じる勇気」、そして初心者だからこそ経験した数々の失敗と成功の物語。このブログでは、キノコ栽培を通して見つけた希望の軌跡を正直にお伝えします。

就労に悩む方、新しい道を探している方、そして単純にキノコ栽培に興味がある方にも読んでいただけたら嬉しいです。それでは、私の「真っ暗な菌床から生まれる希望」の物語、始めていきますね!

1. きのこ栽培と自分の成長が重なった瞬間、目から鱗が落ちた体験談

菌床の前に立ったとき、正直なところ何も期待していなかった。就労訓練施設でのきのこ栽培担当を任された初日、湿った匂いがする作業場で黒い塊を眺めながら「これが本当に何かに変わるのだろうか」と懐疑的だった。

しかし、日々の水やりと温度管理を続けるうち、ある朝、菌床の表面に小さな白い点々が現れた。最初は気のせいかと思ったが、翌日には確かな芽が出ていた。シイタケの原型だ。その変化の速さに驚いた。

「毎日見ていないと気づかないんですよ、この変化」と指導員は言った。「きのこは一晩で倍の大きさになることもある」

その言葉が胸に刺さった。自分自身の変化も、日々を生きている本人には見えにくいものだ。鬱の診断を受け、社会から遠ざかっていた私にとって、自分の成長など感じられないものだった。

しかし、菌床からきのこが育つ過程を見守るうち、自分自身の変化にも気づき始めた。最初は時間通りに起きることさえ難しかったが、きのこの世話のために早起きするようになった。測定値を正確に記録することで、細部に注意を払う習慣が身についた。

特に印象的だったのは収穫の瞬間だ。立派に育ったシイタケを初めて収穫したとき、指導員から「見事だ」と言われた誇らしさは忘れられない。何かを最後までやり遂げ、形になる喜びを久しぶりに感じた。

黒い菌床から美しいきのこが生まれるように、私たちも暗闇から這い上がる力を持っている。きのこは適切な環境さえあれば、驚くべき速さで成長する。人間も同じではないか。正しい環境と少しの忍耐があれば、再生は可能なのだ。

今では菌床作りから収穫、パッキングまで全工程を任されるようになった。「いつの間にかできるようになっていたね」と指導員に言われたとき、自分の成長を客観的に認識できた瞬間だった。

目に見えない菌糸が菌床全体に広がり、やがて実を結ぶように、自信や技術も少しずつ体に染み込んでいったのだ。菌床が変化するためには暗闇と時間が必要なように、人間の回復にも時間がかかる。それを理解できたことが、私の最大の収穫かもしれない。

2. 「無理」と思っていた私が菌床との出会いで見つけた意外な才能

「私には何もできない」「どうせ無理」。そんな言葉を自分に言い聞かせ続けていた日々があった。就労移行支援施設に通い始めた当初、心の奥底には強い不安と諦めが渦巻いていた。特に菌床栽培という作業を提案された時には内心「またできないことが増えるだけ」と思っていた。

菌床とは、きのこを育てるための培地のこと。おがくずや栄養材を混ぜて袋に詰め、高温で殺菌した後、きのこの菌を植え付ける。一見単純そうに見えるこの作業が、私の人生を大きく変えることになるとは想像もしていなかった。

最初の一週間は戸惑いの連続だった。「袋詰めの量が均一でない」「温度管理が甘い」など、指摘されることばかり。でも不思議なことに、菌床と向き合う時間が増えるにつれ、徐々に変化が生まれ始めた。

「この菌床、ちょっと乾燥気味かな」「今日の原料は昨日より粒子が細かい」など、以前の私なら気づかなかったような微妙な違いが見えるようになった。指導員からも「感覚が鋭いね」と言われるようになり、初めて人から認められる経験をした。

特に菌糸の成長を観察する作業では、私の細部への注意力が高く評価された。菌糸の伸び方や色の変化から、温度や湿度の調整が必要かどうかを判断できるようになったのだ。これまで「集中力がない」と言われてきた私が、菌床の前では何時間でも集中できることに自分でも驚いた。

同じ施設で働く仲間からも「菌床の状態がわからない時は教えてほしい」と頼られるようになり、自分の存在価値を感じられるようになった。振り返れば、菌床と向き合うことで「観察力」「集中力」「判断力」という自分の強みを発見できたのだ。

きのこの菌糸が暗闇の中で確実に成長していくように、私の中の可能性も少しずつ広がっていった。就労訓練の中で見つけたこの才能は、将来の就職にも生かせるものになるだろう。

菌床との出会いは、「無理」の壁を少しずつ崩してくれた。今では「まずはやってみよう」と思えるようになった。人は誰しも、出会っていない才能を持っている。それを発見するきっかけは、思いもよらないところにあるのかもしれない。

3. 就労訓練でキノコを育てて気づいた、人生を変える小さな成功体験

「今日も菌床を見てみよう」そう思えるようになるまで、私には長い時間がかかりました。キノコ栽培プログラムに参加し始めた頃は、毎日同じ作業の繰り返しに意味を見出せずにいました。

しかし、ある朝のことです。何の変哲もなかった菌床から、小さな芽が顔を出していたのです。「これは、私が世話をしたキノコだ」という実感が、胸に込み上げてきました。

就労訓練の中でも、キノコ栽培には特別な意義があります。一見、地味な作業の積み重ねですが、適切な温度管理、水分調整、そして何より日々の観察が必要です。最初は担当スタッフの指示通りに動くだけでしたが、徐々に「この菌床は少し乾燥気味かも」と自分で判断できるようになっていきました。

特に印象的だったのは、シイタケの収穫日です。最初の一株を自分の手で収穫した時、スタッフから「きれいに育ったね、素晴らしいよ」と言われた言葉が今でも心に残っています。それまで、誰かに認められる経験が少なかった私にとって、この小さな成功体験は大きな自信となりました。

就労訓練の参加者の中には、様々な理由で一般就労から離れていた方がいます。うつ病を経験した方、引きこもりだった方、障害を持つ方など、背景は様々です。しかし、キノコ栽培を通じて全員が同じ気づきを得ていきました。「自分の行動が確かな結果を生み出せる」という実感です。

キノコ栽培は人生の縮図です。見えないところでコツコツと続ける努力が、ある日突然目に見える形で実を結ぶ。その過程が自己肯定感の回復に繋がるのです

実際に、私自身もキノコの栽培を通じて「続ける力」を取り戻しました。最初は菌床の状態確認も億劫でしたが、小さな変化を発見する喜びを知り、自然と毎日の作業が楽しみになっていったのです。

この経験は就労に必要なスキルだけでなく、人生においても大切な教訓となりました。何事も一朝一夕には結果が出ないこと、地道な努力が報われること、そして何より、小さな成功体験の積み重ねが自信につながることを、身をもって学んだのです。

キノコ栽培から学んだ「小さな成功体験」の積み重ねは、今では私の日常生活のあらゆる場面で活きています。料理を最後まで作り切る、約束の時間に遅れずに到着する、計画したことを実行する—以前は当たり前にできなかったことが、少しずつできるようになっていきました。

真っ暗な菌床から芽吹くキノコのように、人の可能性も目に見えないところで確実に育まれているのだと信じています。就労訓練という場で出会ったキノコたちは、私に「希望」という名の大切な贈り物をくれました。

4. 菌床と向き合う日々が教えてくれた「待つ力」と「信じる勇気」

真っ暗な菌床の前に立ち、微かな変化を感じ取る瞬間。この日々の繰り返しが、私に人生の大切な教訓を与えてくれました。就労支援施設での椎茸栽培は、表面的には単純作業に見えるかもしれません。しかし、その奥には深い学びが隠されていたのです。

菌床栽培の最大の特徴は「待つこと」。菌糸が菌床全体に広がり、やがて子実体(きのこの本体)が顔を出すまで、私たちにできることは適切な環境を整え、見守ることだけ。早く育てようと焦って手を加えすぎれば、逆に育ちを妨げてしまいます。

「今日もまだ何も見えない…」と不安になる日々もありました。特に精神障害を抱える利用者Kさんは、最初の頃「自分がやっていることに意味があるのか」と何度も問いかけていました。目に見える成果がすぐに現れない作業は、自己肯定感が揺らぎがちな人にとって大きなチャレンジです。

しかし、菌床が教えてくれたのは「見えないところでも確実に成長している」という真理。ある朝、Kさんが担当していた菌床から最初の椎茸が顔を出した時の喜びは忘れられません。「自分が毎日水やりした菌床から、本当に生まれてきた」と涙ぐむKさんの表情は、自分の関わりが確かな結果を生み出したという実感に満ちていました。

私たち支援スタッフも、利用者の成長に対して同じ姿勢が求められることに気づかされました。変化が見えなくても、その人の中で確実に何かが育っていると信じる力。すぐに結果を求めず、適切な環境を整えながら待つ忍耐。

特に印象的だったのは、統合失調症を抱えるTさんの変化です。当初は人との会話も難しく、指示も何度も繰り返さなければ理解できませんでした。しかし、菌床管理の仕事を任せるようになってから、少しずつ自信を取り戻していきました。「椎茸が私を待っている」という責任感が、彼の回復を支える大きな力となったのです。

菌床栽培は自然のサイクルに従うしかありません。思い通りにならない現実を受け入れ、それでも希望を持ち続ける強さ。これは社会復帰を目指す利用者にとって、何よりも大切な学びかもしれません。

施設長は「菌床は最高の先生」とよく言います。確かに、結果が出るまで黙々と続ける忍耐力、小さな変化に気づく観察力、そして何より「必ず実るという信頼感」は、社会で生きていく上での基礎力となります。

菌床と向き合う日々は、人生そのものの縮図とも言えるでしょう。目に見える成果が出なくても、諦めずに水やりを続ける。それが、やがて豊かな実りをもたらすという希望を、私たちは菌床から教わっているのです。

5. キノコ栽培の裏側!初心者が経験した失敗と成功のリアルストーリー

キノコ栽培の世界は、想像以上に奥が深く、科学と忍耐が必要な分野です。就労訓練でシイタケ栽培に携わるようになって、最初の数ヶ月は本当に戸惑いの連続でした。菌床の管理ひとつをとっても、温度・湿度・光の調節など細かな要素が複雑に絡み合っています。

最初の失敗は菌床の殺菌不足でした。「しっかり殺菌したつもり」が、実は不十分で雑菌が繁殖。せっかく用意した菌床が青カビだらけになり、廃棄せざるを得ませんでした。この経験から、工程の一つ一つを妥協せず行うことの重要性を学びました。

次に直面したのは湿度管理の難しさです。乾燥しすぎると菌糸が成長せず、かといって湿りすぎると雑菌の温床に。毎日霧吹きで水分を与えながら、菌床の状態を観察する日々が続きました。ある日、先輩から「感覚で水をやるんじゃなく、菌床の色と重さで判断しなさい」とアドバイスをもらい、目に見える変化が現れ始めました。

最も印象的だったのは、初めて発生したシイタケを収穫した瞬間です。真っ暗な菌床から、ある日突然小さな芽が出始め、数日で立派なシイタケに成長する様子は感動的でした。自分が手をかけた菌床から生まれたキノコを初めて手に取った時の喜びは、言葉では表せないほどです。

失敗から学んだことも多く、特に重要だったのは「待つ」ということ。菌糸の成長には時間がかかり、急かしても結果は出ません。焦らず、適切な環境を整え、自然のリズムを尊重することがキノコ栽培の鍵だと実感しました。

また、シイタケ栽培担当者から技術指導を受ける機会もあり、プロの視点からのアドバイスは非常に参考になりました。特に菌床の配合や発生条件の微調整など、経験に基づいたノウハウを学べたことは大きな財産となっています。

キノコ栽培を通じて、「失敗は成功のもと」という言葉の意味を身をもって理解しました。菌床の中で静かに成長する菌糸のように、人間の成長も目に見えないところで着実に進んでいるのかもしれません。

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