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見えない強さ〜きのこ栽培就労訓練の365日

こんにちは!就労支援の現場から、ちょっと変わった「きのこ栽培」の世界についてお話しします。

「就労訓練」って言葉、少し堅苦しく聞こえるかもしれませんね。でも実は、ここには人の成長ストーリーがたくさん詰まっています。特に「きのこ栽培」という地味だけど奥深い世界は、働くことに不安を抱える人たちにとって新たな可能性の扉を開いてくれるんです。

精神疾患や発達障害、様々な理由で一般就労が難しいと感じている方々。きのこは静かに、でも確実に成長していく姿を見せてくれます。その姿に励まされ、自分自身も少しずつ変わっていく…そんな365日の記録をこのブログでは綴っていきます。

きのこ栽培を通じて「働く」ことの新しい意味を見つけた人たち、失敗を恐れる気持ちから解放された瞬間、小さな成功体験が自信につながった日々。それらの実話をもとに、就労支援の現場で起きている「見えない強さ」の物語をお届けします。

障害があっても、社会とつながり、自分らしく生きていける場所がある。そんなメッセージが伝わるブログにしていきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください!

1. 「働く」を再定義!きのこ栽培で見つけた自分の可能性と価値

精神的な課題や障がいを抱えながら「働く」ということを模索する人々にとって、きのこ栽培は思いがけない希望の光となっています。全国各地の就労継続支援事業所では、しいたけやまいたけ、なめこといった多様なきのこの栽培を通じて、利用者が少しずつ自信を取り戻す姿が見られます。

きのこ栽培の魅力は作業の多様性にあります。菌床の準備、温度・湿度管理、収穫、パッケージングと、様々な工程があるため、それぞれの得意分野や体調に合わせた作業分担が可能です。気分の浮き沈みがあっても、その日の調子に合わせた仕事ができるという柔軟性も、精神障がいを持つ方々には大きな利点となっています。

きのこ栽培は短期間で結果が見えやすいことも特徴です。種菌の植え付けから収穫まで、品種にもよりますが早いものなら数週間で成果を目にすることができます。これは日々の努力が形になる喜びを感じやすく、達成感を得やすい環境と言えるでしょう。

厚生労働省の調査によれば、就労継続支援事業所における農業・栽培系の作業は、利用者の継続率が高い傾向にあります。特にきのこ栽培は室内作業が中心であるため、天候に左右されにくく、体力的な負担も調整しやすいというメリットがあります。

「働く」という概念を、単なる雇用や賃金だけでなく、自己成長や社会貢献、生きがいといった多面的な価値から捉え直すとき、きのこ栽培という小さな営みが持つ可能性は計り知れません。一人ひとりのペースを尊重しながら、確かな成果を生み出していくこの取り組みは、多様な働き方を模索する現代社会において、大きなヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

2. 静かな成長物語~きのこと共に一歩一歩、就労訓練の日々

きのこ栽培の就労訓練には、他の職業訓練にはない独特の魅力があります。毎日が繰り返しの作業のように見えて、実は微細な変化の連続。その日々の変化を見逃さず、適切に対応していく力が自然と身についていきます。

朝の菌床チェックから始まる一日。温度計と湿度計の数値を確認し、きのこの生育状況を観察します。「昨日より2ミリ大きくなった」「色が少し濃くなってきた」といった小さな変化に気づく観察眼が養われます。この「変化を読み取る力」は、社会に出てからも大きな武器になります。

特筆すべきは、きのこ栽培が持つ「待つ」という要素。菌床を作ってから収穫までには、きのこの種類によって数週間から数ヶ月かかります。すぐに結果が出ない状況でも諦めず継続する忍耐力が自然と身につくのです。

「エリンギの栽培を担当するようになってから、私の性格が変わりました」と話すのは就労訓練を経て一般就労を果たした30代男性。「以前の私なら少しでも上手くいかないとすぐ投げ出していましたが、今は『成長には時間がかかる』と理解できるようになりました」

さらに、きのこ栽培には多様な作業工程があります。菌床づくり、環境管理、収穫、パッケージング、販売準備など、異なる性質の作業を経験できることも利点です。自分の得意・不得意を発見しやすく、将来の職業選択に役立ちます。

「きのこの栽培には失敗がつきものです。でも、失敗から学ぶことで成長できる」と語るのは、農福連携に取り組む専門家。環境変化への対応力や問題解決能力が養われる点も、この就労訓練の大きな特徴です。

季節の変化とともに作業内容や注意点も変わるため、マンネリ化しにくいことも魅力の一つ。「夏は温度管理が難しく、冬は乾燥対策が必要」と季節ごとの課題に向き合いながら、年間を通して多様な経験を積むことができます。

きのこの成長に寄り添いながら、自分自身も少しずつ成長していく。目に見えない菌糸が少しずつ広がるように、就労に必要なスキルや自信も日々積み重ねられていくのです。そんな静かな成長の物語が、きのこ栽培の就労訓練には詰まっています。

3. 「今日も一つ、できることが増えた」きのこ栽培就労訓練の小さな勝利の記録

長期的には、この訓練で培った忍耐力や観察力が一般就労への大きなアドバンテージとなります。実際に、プログラム修了後に農業関連企業への就職を実現した方々も少なくありません。

きのこ栽培就労訓練の最大の特徴は、目に見える成果が毎日確認できることです。朝に確認した菌糸の伸び具合が、夕方には変化している。そんな小さな変化に気づき、喜びを感じる感性が養われていきます。

「今日も一つ、できることが増えた」—その積み重ねが、参加者の人生を少しずつ、しかし確実に変えていっているのです。

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