
「将来、うちの子はどうなるんだろう…」
障がいのあるお子さんを育てていると、この思いが胸に刻まれる瞬間が何度もありますよね。私も同じ悩みを抱えていました。毎日の生活に精一杯で、将来のことを考える余裕すらなかった日々。
でも、そんな不安が少しずつ解消されていったのは、障がい者グループホームと就労継続支援B型の存在を知ってからでした。特に「なないろ」という場所との出会いは、我が家の転機となりました。
障がいがあっても、その人らしく生きられる場所。自分のペースで働ける環境。そして何より、親がいなくなった後も安心して暮らせる住まい。
このブログでは、私たち家族が見つけた「なないろ」という光と、そこで息子が見せてくれた新しい姿について綴っていきます。同じ悩みを持つご家族の方々に、少しでも希望の光が届きますように。
今日は、障がい福祉サービスの中でも特に「グループホーム」と「就労継続支援B型」に焦点を当てて、実際の体験をお伝えします。
障がいのあるお子さんを育てる親御さんの多くが抱える不安。「自分たちがいなくなった後、この子はどこで、誰と、どうやって生きていくのだろう」。この問いに向き合うとき、グループホームは大きな希望となります。障がい者グループホームは、障がいのある方が少人数で共同生活を送りながら、専門スタッフのサポートを受けられる住まいです。自立した生活への第一歩であると同時に、親御さんにとっては我が子の未来を託せる場所でもあります。
東京都内で障がい者支援に取り組む社会福祉法人「なないろ福祉会」のグループホームでは、入居者一人ひとりの個性や能力に合わせた生活支援プログラムを提供しています。食事の準備から掃除、買い物まで、日常生活に必要なスキルを楽しみながら身につけられるよう工夫されています。
「最初は不安でしたが、今では自分で洗濯もできるようになり、休日には友達と出かけることも増えました」と話すのは、知的障がいのある20代の入居者さん。親御さんからも「本人の笑顔が増え、私たち自身も将来への不安が和らぎました」という声が寄せられています。
グループホームの大きな魅力は、プライバシーを尊重しながらも孤立せず、共同生活を通じて人とのつながりを育めること。同じ空間で暮らし、喜びや悩みを分かち合うことで、自然と社会性も身についていきます。
地域との交流も活発で、季節ごとのイベントや近隣住民との関わりを大切にする運営方針は、障がいのある方の社会参加の機会を広げています。「ここに来て、初めて自分の居場所が見つかった気がする」という言葉は、グループホームがただの住まいではなく、かけがえのない生活の基盤となっていることを物語っています。
福祉サービスを選ぶときは、見学や体験利用を通して、実際の雰囲気や支援の質を確かめることが大切です。また、入居条件や費用、支援体制などの情報を事前に収集し、ご本人の希望や特性に合った場所を選ぶことが重要となります。
障がいのあるお子さんの将来を考えるとき、グループホームという選択肢があることは、大きな安心につながります。自立と支援のバランスがとれた生活環境は、障がいのある方の可能性を広げ、親御さんの心の負担を軽くする力を持っています。
就労継続支援B型事業所とは、一般企業での就労が難しい障がいのある方に、働く場を提供する福祉サービスです。息子が通い始めてから半年、「就労B型ってどういうところなの?」という質問をよく受けるようになりました。
就労B型の最大の特徴は「自分のペースで働ける」という点です。一般企業のような厳しいノルマや時間的制約がなく、それぞれの障がい特性に合わせた働き方ができます。息子は自閉症スペクトラムがあり、環境の変化に敏感で、予測できない状況にパニックを起こすことがありました。就労B型では、彼のペースを尊重してくれるため、少しずつ自信を取り戻しています。
作業内容も多種多様です。軽作業からクリエイティブな制作活動まで、利用者の適性や好みに応じた仕事を選べます。息子の場合は、細かい作業が得意なため、企業からの箱折りや封入作業を担当。集中して取り組める環境が整えられているため、毎日充実した表情で帰ってきます。
就労B型では工賃が発生します。これは一般企業の給与とは異なり、作業量や作業内容によって変動しますが、「自分で稼いだお金」という実感が自己肯定感につながっています。息子は初めての工賃で好きなキャラクターグッズを買い、とても誇らしげでした。
支援員さんのサポートも心強いポイントです。専門的な知識を持った支援員が常駐し、作業指導だけでなく、体調管理や生活面での相談にも乗ってくれます。息子のこだわりや特性を理解し、適切な配慮をしてくれるため、安心して通うことができています。
就労B型は「福祉」と「就労」の両面を持っています。働くことを通じて社会参加する喜びを感じながら、無理なくスキルアップできる環境です。息子も最初は緊張していましたが、今では「仕事に行く」と胸を張って言えるようになりました。
利用を検討する際は複数の事業所を見学することをおすすめします。事業所によって作業内容や雰囲気が大きく異なるからです。息子の場合、3か所見学した中で、最も本人が「ここがいい」と言った事業所を選びました。本人の意思を尊重することが何より大切だと実感しています。
就労B型は「働きたい」という気持ちを大切にしながら、一人ひとりの可能性を広げていく場所。息子の新しい表情を見るたびに、この選択は正しかったと感じています。
「どこに行っても、うちの子には合わない」「他の子と一緒にするとパニックになってしまう」「もっと個性に合わせた支援はないの?」—そんな声は障がいのあるお子さんの保護者からよく聞かれます。実際、発達障がいや知的障がいのあるお子さんの特性は十人十色。一つの支援方法がすべての子どもに合うわけではありません。
多くの保護者が直面するのが、この「合う支援先探し」という難題です。A事業所は集団活動が中心で我が子には刺激が強すぎる、B事業所は個別対応が素晴らしいけれど送迎がない、C事業所は専門性が高いが待機児童が多い…。選択肢はあるようでいて、実は「うちの子に本当に合う場所」となると限られてしまうのが現状です。
そんな中、注目を集めているのが「なないろ」の障がい児支援サービスです。なないろでは、子ども一人ひとりの特性に合わせた「7色の支援」を提供しています。これは単なるキャッチフレーズではなく、実際に支援の種類や方法を柔軟に組み合わせられる仕組みになっています。
例えば、自閉症スペクトラムで感覚過敏がある太郎君(仮名)の場合。これまで複数の支援機関を利用していましたが、環境の変化に弱く、場所が変わるたびに不安定になっていました。なないろでは、感覚調整のためのセンサリールームでの活動、コミュニケーション支援、そして得意な絵を活かした表現活動—これらをすべて同じ場所、同じスタッフのもとで受けられるようカスタマイズされました。
また、ADHD傾向のある花子さん(仮名)には、午前中は集中力を活かした学習支援、午後は体を動かす活動といった具合に、一日のリズムに合わせたプログラムを組んでいます。これにより、「別の場所に移動する」というストレスなく、その子に合った支援が受けられるのです。
保護者からは「やっと我が子に合う場所が見つかった」「複数の事業所を掛け持ちする必要がなくなり、送迎の負担が減った」という声が寄せられています。また、子どもたち自身も「ここに来るのが楽しい」と笑顔で通うようになったというケースが増えています。
なないろの支援の特徴は、単に「場所」や「プログラム」だけでなく、子どもの成長に合わせて支援内容を柔軟に変化させていく点にもあります。発達の段階や興味・関心の変化に応じて、支援計画を定期的に見直し、調整していきます。
「障がい支援は一人ひとりに合わせたオーダーメイドであるべき」—それがなないろの理念です。画一的な支援ではなく、子どもの個性や特性を尊重した多彩な選択肢があることが、保護者の悩みを解消する大きなポイントとなっています。
障がい児支援の選択肢に悩んでいる方は、まず相談から始めてみてはいかがでしょうか。子どもの特性に合わせた「7色の支援」が、新しい可能性を開くかもしれません。
「親亡き後、我が子はどうなるのだろう」―これは障がいのあるお子さんを持つ親御さんの最大の不安です。障がい者の平均寿命が伸びている今、この問題は多くの家庭で切実になっています。グループホームは、そんな家族の願いに応える重要な受け皿となっています。
グループホームは単なる「住む場所」ではありません。生活支援員が常駐し、食事や掃除、服薬管理など日常生活のサポートを行いながら、入居者の自立を促します。世田谷区にある「なないろホーム」では、個室を確保しつつ共有スペースで社会性を育む環境づくりに力を入れています。
「最初は不安でしたが、今では自分で洗濯もできるようになりました」と話すのは、知的障がいのある30代の入居者。親元を離れて5年目になります。支援員は「できることを奪わない」をモットーに、時間がかかっても見守る姿勢を大切にしています。
しかし現実は厳しく、グループホームの数は需要に追いついていません。全国の待機者数は約1万5千人と言われ、入居までに数年待つケースも珍しくありません。特に重度障がい者向けのホームは少なく、医療的ケアが必要な方の受け入れ先はさらに限られています。
費用面も課題です。家賃や食費、光熱費などの実費に加え、サービス利用料がかかります。障害年金と工賃だけでは足りず、親の経済的支援に頼らざるを得ないケースも多いのが現状です。
それでも希望はあります。NPO法人「あおいとり」が運営する神奈川県のグループホームでは、地域の企業と連携し、入居者の就労支援にも力を入れています。「親がいなくなっても、この子たちが地域で当たり前に暮らせる社会を作りたい」と代表は語ります。
専門家は「早い段階から親元を離れる経験をすることが大切」とアドバイスします。短期入所(ショートステイ)などを利用しながら、徐々に自立に向けた準備を進めることで、親子ともに安心できる未来へつながります。
親亡き後の問題は、親子だけで解決できるものではありません。行政、事業者、地域が一体となって支える仕組みづくりが必要です。グループホームはその一翼を担い、障がいのある人々の「その人らしい暮らし」を支えています。
息子の翔太が就労支援施設「なないろワークス」に通い始めたのは、高校卒業後のことでした。アスペルガー症候群と診断された彼は、コミュニケーションの難しさから普通の就職活動に挫折し、家に引きこもる日々が続いていました。
「最初は施設に行くことさえ拒否していました」
毎朝、送り出すのに1時間以上かかる日もありました。でも、なないろワークスのスタッフは根気強く向き合ってくれました。特に印象的だったのは、息子の得意な細かい作業を見つけ出し、PCでのデータ入力業務を任せてくれたことです。
「自分にもできることがある」という自信が芽生え始めたのが、通い始めて約3ヶ月後のこと。施設内での小さな成功体験が、彼の表情を少しずつ変えていきました。
就労支援施設での日々は単なる仕事訓練ではありません。社会性を育む場でもあります。なないろワークスでは月に一度「なないろカフェ」という地域交流イベントを開催しています。最初は裏方に徹していた息子も、今では受付係を担当するまでになりました。
「お疲れ様です」「ありがとうございます」
こうした日常の言葉のやり取りが、彼にとっては大きなステップでした。発達障がいの特性上、暗黙のルールを理解するのが難しい彼にとって、具体的な声かけとフィードバックがある環境は安心できる場所になったようです。
就労支援の素晴らしい点は、個々の特性に合わせたステップアップができること。なないろワークスでは「できないこと」を責めるのではなく、「できること」を増やしていく支援を心がけています。息子の場合、パソコン作業の正確さが評価され、今では施設外の企業から依頼された納品書作成も任されるようになりました。
特に心に残っているのは、初めて給料をもらった日の息子の表情です。「自分も社会の役に立てている」という実感が、彼の自己肯定感を高めました。その給料で家族にプレゼントを買ってくれたときは、思わず涙がこぼれました。
就労支援は単なる「働く訓練」ではなく、社会とのつながりを作る橋渡しです。息子の場合、施設でのつながりがきっかけで地域のボランティア活動にも参加するようになりました。公園清掃や地域のお祭りの手伝いなど、少しずつ活動範囲が広がっています。
発達障がいのある子どもの親として、将来への不安は尽きません。しかし、適切な支援と理解のある環境があれば、確実に成長できることを息子から教えられました。なないろワークスでの経験は、息子だけでなく私たち家族にとっても、障がいと向き合う新しい視点を与えてくれました。