〜働くことで見えた世界と自分の成長〜
「自分にできることなんてあるのだろうか」
そう思っていた私が、今は毎日の仕事を楽しみにし、前向きな気持ちで生活できています。きっかけは、障がい者就労A型事業所との出会いでした。
障がいがあることで一般企業への就職が難しい方も多くいます。しかし、A型事業所では、雇用契約を結び、最低賃金以上の給料をもらいながら働くことができます。それは、単に収入を得る場というだけでなく、自分の可能性を見つける場所でもありました。
障がい者就労支援には「A型」と「B型」の2種類があります。
A型事業所:雇用契約を結び、最低賃金以上が保証される。勤務時間や業務内容は個人の能力に応じて設定。
B型事業所:雇用契約は結ばず、作業内容や時間が柔軟で、工賃が支払われる。
A型事業所は「福祉と雇用の中間地点」のような存在です。社会とのつながりを持ちながら、自分のペースで働き方を学べるのが特徴です。
初めてA型事業所に通い始めた日のことを今でも覚えています。
「本当にできるのだろうか」「失敗したらどうしよう」という不安が大きく、朝は緊張で手が震えていました。
けれども、スタッフの方は私の緊張を察して、
「最初から完璧にやろうとしなくて大丈夫。ゆっくり慣れていこう」
と声をかけてくれました。その言葉に少し肩の力が抜け、最初の一歩を踏み出すことができたのです。
A型事業所での仕事は多岐にわたります。私が経験した業務の一部をご紹介します。
商品の袋詰めやラベル貼り
最初はシールをまっすぐ貼ることさえ難しく感じましたが、数をこなすうちに手先の器用さが増し、作業スピードもアップしました。
データ入力や書類整理
パソコンに触れる機会がほとんどなかった私ですが、基本的な入力や簡単な表作成ができるようになりました。
清掃作業
黙々と取り組める環境は集中力を高め、丁寧に仕上げる習慣が身につきました。
こうして仕事を重ねるうちに、「自分にもできることがある」という自信が少しずつ芽生えていきました。
働き始めて一番の変化は、生活のリズムが整ったことです。
以前は昼夜逆転しがちだった生活が、朝起きて支度をし、決まった時間に仕事に向かう習慣へと変わりました。規則正しい生活は体調の安定にもつながり、気持ちも前向きになりました。
さらに、毎月の給料があることで、自分で欲しい物を買ったり、外食を楽しんだりすることもできるようになりました。「自分で稼いだお金」というのは、想像以上に大きな達成感を与えてくれます。
A型事業所では、同じように障がいを持つ仲間と出会います。
年齢も性格もさまざまですが、共通しているのは「働くことを諦めたくない」という思いです。お互いに励まし合い、時には失敗談を笑い飛ばしながら、一緒に成長していける環境は、とても心強いものでした。
A型事業所の大きな魅力は、支援スタッフの存在です。
仕事の指導だけでなく、生活や健康面での相談にも乗ってくれます。「調子が悪いときは無理しないで」と言ってもらえる安心感があるからこそ、長く続けられるのだと思います。
働き始めた当初は、「少しでも社会と関われればいい」と思っていました。
しかし今は、「もっとできることを増やしたい」「新しいことにも挑戦してみたい」と考えるようになりました。
A型事業所で得られたのは、仕事のスキルや収入だけでなく、自分を信じる力です。障がいがあっても、自分らしい働き方を見つけられる――それが最大の発見でした。
障がい者就労A型事業所は、「働きたい」という気持ちを形にできる場所です。
スキルの習得、生活リズムの改善、仲間やスタッフとのつながりなど、多くのメリットがあります。何より、そこで過ごす時間が、自分の新たな可能性を見つけるきっかけになります。
「働くことに不安がある」「一歩を踏み出す勇気が出ない」
そんな方こそ、A型事業所の門を叩いてみてください。そこには、きっとあなたの才能が花開く舞台が待っています。
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