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就労継続支援B型とは?はたらくことをあきらめないために

「働きたいけれど、自信がない」「体調に波があって、普通の職場では難しい」
そんな悩みを抱える方にとって、就労継続支援B型は「無理せず働く」ための心強い選択肢です。

この記事では、「就労継続支援B型とは何か?」をやさしく丁寧に解説します。対象となる人、特徴、A型との違い、作業内容、メリットなど、これから福祉サービスを利用したいと考えている方や、そのご家族、支援者の方にも役立つ情報をまとめました。


■ 就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型(以下、B型支援)は、障がいや心の不調などを抱える方が、雇用契約を結ばずに働くことができる福祉サービスです。

「継続支援」とは、「続けること」を支える、という意味。
一般企業への就職が難しい方でも、自分のペースで仕事をすることができるよう、作業の機会とサポートが提供されます。


■ どんな人が利用しているの?

B型支援は、さまざまな理由で一般の職場にすぐには就職できない方が対象です。

対象者の例:

  • 精神疾患や発達障害、知的障害、身体障害のある方

  • 就職活動に疲れてしまった方

  • 引きこもりなどでブランクが長い方

  • 高齢や体力の低下で長時間の勤務が難しい方

  • 特別支援学校を卒業したばかりの若年者

つまり、「働きたい気持ちはあるけど、今の状態では不安」という方の、**社会参加の“はじめの一歩”**になるのがB型事業所です。


■ B型支援の特徴

特徴 内容
契約形態 雇用契約なし(利用契約のみ)
報酬 工賃として支給(平均月額:1万円前後)
勤務時間 自分の体調やペースに応じて調整可能
支援内容 作業訓練・生活リズムの改善・社会性の育成
利用期間 制限なし(長期利用もOK)

ポイントは、自分の状態に合わせて無理なく続けられること
出勤日数や作業内容も柔軟に調整され、リラックスした雰囲気の中で作業が行われることが多いです。


■ A型との違いは?

就労継続支援には、「A型」と「B型」の2つがあります。

比較項目 A型 B型
雇用契約 あり(労働者として雇用) なし(福祉的契約)
給与 最低賃金以上 工賃(事業所により異なる)
就労時間 原則週20時間以上 柔軟に調整可能(週1日〜OK)
目的 一般就労へのステップアップ 社会参加・生活リズムの安定

「少しずつ働く感覚を取り戻したい」という方にはB型、
「本格的に働いて就職を目指したい」という方にはA型が向いています。


■ どんな仕事をするの?

B型事業所での作業は多種多様です。事業所の方針や地域性によって異なりますが、主な仕事は次のようなものがあります。

主な作業内容:

  • シール貼り、封入作業、箱詰めなどの軽作業

  • 農作業(野菜の栽培、収穫、出荷)

  • 手芸・木工・雑貨づくり

  • 清掃やリサイクル作業

  • パソコン入力、デザイン業務

  • お菓子・パンなどの製造販売

最近ではIT系やECサイト運営、動画編集など、時代に合った仕事に挑戦している事業所も増えています。


■ 利用までの流れ

B型支援を利用するには、自治体から「障害福祉サービス受給者証」をもらう必要があります。利用のステップは以下の通りです。

  1. 市区町村の福祉窓口に相談

  2. 相談支援専門員による計画作成

  3. サービス等利用計画の作成・提出

  4. 事業所見学・体験利用

  5. 受給者証の申請・交付

  6. 事業所と利用契約を結ぶ

  7. サービス開始(週1日〜でもOK)

※利用料は原則1割負担ですが、所得に応じて減免・無料となるケースが多いです。


■ B型事業所のメリット

1. 自分のペースで無理なく働ける

体調や気分に合わせて出勤日数や時間を調整できるため、長く続けやすいです。

2. 生活リズムを整えられる

定期的に通所することで、昼夜逆転や引きこもりの解消にもつながります。

3. 社会との接点ができる

人と関わる経験が増えることで、自己肯定感や自信が育ちます。

4. スキルが身につく

作業や職業訓練を通して、今後の就職や自立に向けた力が身についていきます。


■ 工賃はどれくらいもらえるの?

B型支援では「工賃」として、作業に対して報酬が支払われます。

  • 全国平均:約16,000円/月(厚労省2023年度データ)

  • 事業所によって大きく差がある(5,000〜30,000円以上も)

工賃は、作業の量・質・時間・事業所の収益などによって決まるため、見学や体験時に必ず確認しておきましょう。


■ 「就職できない人」の場所ではない

B型支援は、「就職できない人が集まる場所」と思われがちですが、実際は違います。

  • 就職を目指すためのステップアップの場所

  • 体調を崩した後の“再スタート”の場所

  • 働きながら生活のリズムをつくる場所

つまり、「どこかに所属して、自分の存在を社会とつなげたい」という思いを実現する場所なのです。


■ まとめ:就労継続支援B型は、働くことへの新しい扉

就労継続支援B型は、単なる“作業場”ではなく、
自分の人生を立て直す場、社会とつながる第一歩です。

  • 焦らなくていい

  • 比べなくていい

  • 自分のペースで進んでいい

そんなやさしい空気に包まれたこの仕組みは、これからの多様性ある社会にとって、ますます重要な存在になっていくでしょう。

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