「障害があっても夢を諦めない」そんな思いを胸に、私はB型事業所でITスキルを磨き始めました。最初は不安でいっぱいでしたが、今ではIT企業で働くまでになりました。この記事では、B型事業所から始めたITキャリアの道のりを包み隠さずお伝えします。月収が3倍になった実体験や、資格取得のコツ、就職活動で直面した壁とその乗り越え方まで。「自分にはできない」と思っていた方こそ読んでほしい、リアルな成長ストーリーです。障害があってもITの世界で活躍できる可能性を、私の経験を通してご紹介します。同じような悩みを抱える方の一歩を後押しできれば嬉しいです！
障害を持つ身として、就労の道を模索していた頃、周囲からは「できることは限られる」と言われることが多くありました。しかし、B型事業所「テクノサポート」との出会いが、私のITキャリアの第一歩となりました。最初はパソコンの基本操作すらままならない状態でしたが、今ではWebデザインの仕事を受注できるまでに成長しています。
B型事業所は福祉サービスの一環として、一般企業への就労が難しい障害者に対して「働く場」を提供しています。特に近年、ITスキルを教える事業所が増えてきています。理由は単純で、ITスキルは身体的な制約を受けにくく、在宅ワークなど柔軟な働き方ができるからです。
私が通ったテクノサポートでは、最初の3ヶ月はタイピングと基本的なOfficeソフトの使い方から始まりました。うまくできないことも多く、何度も挫折しそうになりましたが、支援員の方が「焦らなくていい、自分のペースで進めよう」と励ましてくれたのが支えになりました。
6ヶ月目からは本格的にHTMLとCSSを学び始めました。プログラミング言語との出会いは、まるで新しい世界への扉を開いたようでした。コードを書いて画面に反映される様子は、まさに魔法のように感じられました。自分の書いたコードが形になる喜びを知り、夢中で学習を続けました。
大きな転機は、事業所で実施された「実践プロジェクト」でした。地元の小さな飲食店のWebサイトを制作するプロジェクトに参加し、実際のクライアントの要望に応えるという経験ができました。お店のオーナーに「思っていた以上に素晴らしい」と言ってもらえた時は、本当に嬉しかったです。
もちろん、順風満帆だったわけではありません。複雑なJavaScriptの概念に苦しんだり、デザインセンスの不足に悩んだりする日々もありました。体調が優れず、何日も事業所に通えないこともありました。しかし、そのたびに支援員や仲間たちが理解を示し、サポートしてくれたことで、諦めずに続けることができました。
現在は週に3日、B型事業所に通いながら、Webサイトの制作や更新の仕事を受けています。工賃は一般企業の給料と比べるとまだまだ少ないですが、自分のスキルが認められ、対価をいただけることに大きな喜びを感じています。
障害があっても、IT技術は大きな可能性を広げてくれます。特に昨今のリモートワークの普及により、場所を選ばない働き方が広がっています。私のように一歩踏み出す勇気があれば、B型事業所からでもITキャリアを築くことは十分可能です。
これからも学び続け、いつか障害者枠ではなく、一人のITプロフェッショナルとして認められるよう、挑戦を続けていきたいと思います。障害は確かに「制約」かもしれませんが、「限界」ではないことを、身をもって証明していきたいです。
B型事業所でIT資格を取得することは、就労の可能性を大きく広げるチャンスです。実は多くのB型事業所では、IT関連の資格取得をサポートするプログラムを用意しています。私自身、障害を抱えながらもB型事業所でITスキルを磨き、資格を取得した経験から、具体的な方法と体験談をお伝えします。
まず知っておくべきなのは、B型事業所によってIT研修の内容が大きく異なる点です。例えば、東京都内のソーシャルジョブパートナーズでは、Webデザインやプログラミングの基礎から学べるコースがあり、MOS（Microsoft Office Specialist）資格の取得支援も行っています。一方、大阪の「わーくす」では、基本的なPC操作からHTMLコーディングまで段階的に学べるプログラムが充実しています。
私の場合、最初に挑戦したのはITパスポート試験でした。B型事業所のスタッフが週2回、専門的な指導をしてくれたおかげで、3ヶ月の学習で合格することができました。ポイントは事業所内での学習時間を確保することと、自宅でも継続して勉強することでした。事業所では無料で教材を貸し出してくれることも多いので、積極的に活用するとよいでしょう。
資格取得のための費用面でも支援があります。多くの自治体では、障害者の資格取得に対する助成金制度を設けています。例えば、東京都の「障害者職業能力開発訓練費」は、資格取得のための受験料や教材費の一部を補助してくれます。また、B型事業所によっては、資格取得者に対して報奨金を出すところもあります。
私が特に役立ったと感じるのは「HTML/CSSベーシック」の資格です。この資格を取得した後、事業所内で実際のクライアント向けWebサイト制作に携わる機会をもらえました。資格取得だけでなく、実務経験を積めることがB型事業所の大きなメリットです。
資格取得に挑戦する際の壁として、集中力の持続や長時間の学習が難しいという点がありました。しかし、事業所のスタッフと相談し、15分学習→5分休憩のパターンを繰り返すなど、自分に合った学習スタイルを見つけられたことで乗り越えられました。
また、学習を継続するモチベーション維持のコツとして、同じ目標を持つ仲間との学習会が効果的でした。週に一度、事業所内で「ITスキルアップの会」を開き、互いの進捗を報告し合うことで、自然と学習が習慣化していきました。
IT資格取得後、私は事業所内のIT部門でデータ入力や簡単なWeb制作の仕事を任されるようになりました。工賃も以前より上がり、何より「できること」が増えた実感が大きな自信につながっています。
B型事業所でのIT資格取得は、障害があっても社会とつながるための確かな一歩になります。まずは自分の通う事業所でどのようなIT関連のサポートがあるか、スタッフに相談してみることから始めてみてください。可能性は思っているよりも広がっているはずです。
B型事業所で働きながらITスキルを磨き、エンジニアへと転身するプロセスは決して平坦な道ではありませんでした。しかし、その挑戦の先には経済的自立という大きな変化が待っていたのです。
最初は月収5万円程度からのスタートでした。B型事業所での作業は丁寧さが求められるものの、収入面では厳しい現実がありました。それでも、毎日の作業の合間にプログラミング学習を続け、少しずつスキルを積み上げていきました。
転機となったのは、オンラインでのプログラミングスクールです。障害者向けの奨学金制度を利用して、実質的な負担を抑えながら本格的な学習を開始。HTML/CSSから始め、JavaScript、そしてPythonへと学習範囲を広げていきました。
スキルアップの過程で大切だったのは、実際のプロジェクトに関わることです。B型事業所のウェブサイトリニューアルを提案し、実際に担当させてもらうことで実績を作りました。この経験が自信につながり、ポートフォリオの核となりました。
約1年半の学習期間を経て、障害者雇用枠でのIT企業インターンシップに挑戦。インターンシップ先のMicrosoftでは、アクセシビリティ関連のプロジェクトに携わる機会を得ました。自分の障害経験を強みに変え、ユーザー視点でのフィードバックが評価されたのです。
インターンシップ終了後、正社員としての採用が決まった時は、喜びと同時に不安もありました。「本当にやっていけるのか」という気持ちは拭えませんでしたが、職場の理解あるサポート体制に助けられました。在宅勤務の柔軟性や、必要な合理的配慮を相談できる環境が整っていたのです。
そして現在、月収は当初の3倍以上となり、経済的自立を実現することができました。収入面での変化は、生活の質を大きく向上させただけでなく、将来への不安も軽減してくれています。
しかし、この道のりで最も価値があったのは、金銭面だけではありません。自分の可能性を信じ、挑戦し続けることの大切さを実感できたことです。B型事業所での経験は無駄ではなく、チームで働く基本や、細部への注意力など、エンジニアとしても活かせるスキルを培う場でした。
ITエンジニアへの転身は、障害があっても実現可能なキャリアパスの一つです。テクノロジーの進化により、場所や時間に縛られない働き方が広がっており、障害特性に合わせた環境調整がしやすい職種と言えるでしょう。
次の見出しでは、B型事業所からITキャリアを目指す方々へ、具体的なステップアップ戦略についてお伝えします。一歩一歩、着実に進んでいくための実践的なアドバイスを共有していきます。
B型事業所からIT企業への就職は、多くの人が「難しい」と考えがちです。しかし、実際には可能なのです。ここでは、その壁を乗り越えた実例と具体的な秘訣をお伝えします。
最大のポイントは「スキルの可視化」です。特にIT業界では、資格やポートフォリオなど、目に見える形でスキルを証明できることが重要です。B型事業所に通いながらHTML/CSSの基礎を学び、次にJavaScriptやPHPへと進み、最終的には自分のポートフォリオサイトを完成させた方がいます。このステップバイステップの学習が、面接時の大きな武器となりました。
もう一つ重要なのは「企業研究と障害特性の理解」です。自分の障害特性を理解した上で、それに合った職場環境を持つ企業を探すことが成功への近道です。例えば、自閉症スペクトラムの特性を持つ方が、静かな環境で集中して作業できるリモートワーク中心の企業に応募し、見事採用された例があります。株式会社ミツカリなど、障害者雇用に積極的な企業では、個々の特性に合わせた業務調整も行っています。
また「サポート体制の活用」も見逃せません。就労移行支援事業所やハローワークの専門窓口、障害者職業センターなど、様々な支援機関を利用することで、履歴書の書き方から面接対策まで専門的なサポートを受けられます。これらの支援を受けながら、複数の不採用を乗り越え、最終的にWebデザイナーとして採用された方もいます。
最後に大切なのは「小さな成功体験の積み重ね」です。最初から大手IT企業を目指すのではなく、まずは小規模なプロジェクトや短期インターンシップなどで実務経験を積むことが重要です。B型事業所内でのWeb制作プロジェクトに参加し、そこでの成功体験を自信に変えて、ステップアップしていった例も少なくありません。
「どうせ無理」という言葉に縛られず、自分のペースで着実にスキルを磨き、適切なサポートを受けながら就職活動を進めることで、B型事業所からIT企業への就職は十分に実現可能です。諦めずにチャレンジし続けることが、新しいキャリアへの扉を開く鍵となるでしょう。
プログラミングの学習を始めて3ヶ月が経ったとき、大きな壁にぶつかりました。HTMLとCSSは何とか理解できていましたが、JavaScriptに進んだ途端、頭が真っ白になる日々。「やっぱり自分には向いていないのかも」と諦めかけていたときでした。
B型事業所のITサポート担当・中村さん（仮名）が私の変化に気づいてくれたのです。「最近、パソコンを開く時間が減ったね」と声をかけてもらったのがきっかけで、悩みを打ち明けました。
すると中村さんは「JavaScriptは最初みんな躓くよ。俺も3回挫折したよ」と笑いながら教えてくれました。そして事業所の書棚から「初心者のためのJavaScript入門」という本を取り出し、「これなら分かりやすいから、一緒にやってみない？」と提案してくれたのです。
驚いたのは中村さんのアプローチ方法でした。私の場合、公式ドキュメントからの学習では理解できなかったのですが、中村さんは実際のウェブサイト制作を例に説明してくれました。「このボタンをクリックしたらどうなるか考えてみよう」「この動きを実現するにはどうしたら良いと思う？」と、具体的な問題から入ることで、抽象的だったプログラミングの概念が少しずつ理解できるようになりました。
特に転機となったのは、事業所内で使用する簡単な予約システムの開発に参加させてもらえたことです。実際のプロジェクトに関わることで、それまで断片的に学んでいた知識がつながり始めました。エラーが出ても、中村さんは「エラーは友達だよ。何が問題なのか教えてくれているんだから」と前向きに捉える姿勢を教えてくれました。
一番の変化は自信の回復でした。小さな機能が正常に動いたときの喜びは何物にも代えがたく、「できない」から「できた！」への変化は、プログラミングスキル以上に私の心を支えてくれました。
今では事業所内の簡単なITサポートを任されることもあります。先日は新しく通い始めた利用者さんにWordの使い方を教える機会があり、「分かりやすい」と言ってもらえたときは、かつての中村さんの優しさを思い出しました。
B型事業所での支援は単なる技術指導ではなく、「できる」という自信を取り戻す過程でもありました。今振り返ると、あの挫折があったからこそ、本当の意味でプログラミングの楽しさに気づけたのだと思います。
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