
「障がいがある子どもの将来、どうなるんだろう…」そんな不安を抱えながら日々を過ごしていませんか?私も以前はそうでした。発達障がいのある息子の将来を考えるたび、胸が締め付けられる思いでいっぱいでした。
でも今は違います。息子は毎日笑顔で就労継続支援B型に通い、自分のペースで働きながら、新しい可能性を広げています。この変化のきっかけとなったのが、株式会社Preferlink(7iro)との出会いでした。
障がいのある方の「働く」と「暮らす」をトータルでサポートする7iroのサービスは、私たち家族の生活を大きく変えてくれました。グループホームでの生活も始まり、息子の自立への一歩が着実に進んでいます。
この記事では、同じような悩みを抱えるご家族に向けて、私たちが経験した就労支援とグループホームの選び方、実際の変化、そして何より大切にしたい「多様性を認め合う環境」について、リアルな体験をもとにお伝えします。
障がいがあっても、その人らしく生きていける社会。それは決して夢物語ではありません。私たち家族の体験が、あなたの不安を少しでも和らげるヒントになれば幸いです。
「うちの子に合う仕事があるのかしら」「社会に出て働くなんて難しいのでは」—これは障がいのあるお子さんの保護者からよく聞かれる言葉です。その不安な表情の裏には、将来への期待と心配が複雑に絡み合っています。
障がい者の就労支援の現場では、一人ひとりの「できること」に光を当て、その人らしく働ける環境を見つけることが何より大切です。実は、障がいの種類や特性は多様で、それぞれに適した仕事のスタイルや環境があります。
例えば、自閉症スペクトラムの方の中には、細部への強いこだわりを活かして検品作業で高い精度を発揮する人がいます。集中力を必要とするデータ入力やファイリング作業も、特性によっては得意とする場合があるのです。
また、知的障がいのある方でも、飲食店の調理補助や清掃業務など、手順が明確で繰り返し行う作業において、その真面目さと丁寧さで高い評価を得ています。東京都内のあるカフェでは、障がいのあるスタッフが接客を担当し、お客様からの温かい声に支えられています。
「障がい者雇用は企業の負担」という考え方は、もはや古いものになりつつあります。実際、多くの企業が障がい者雇用を通じて職場の活性化を実感しています。日本理化学工業では、知的障がいのある従業員がチームの一員として活躍し、製品の品質向上に貢献しています。
就労移行支援事業所や就労継続支援A型・B型事業所では、個々の特性に合わせたきめ細かな訓練とサポートを提供し、一般就労への橋渡しをしています。また、職場での合理的配慮の提供も広がりつつあり、障がい者が働きやすい環境づくりが進んでいます。
「できないこと」ではなく「できること」に目を向け、その可能性を広げていくこと。それが障がい者就労支援の本質であり、多様性を認め合う社会への第一歩です。お子さんの特性を活かせる仕事は、必ず存在しています。
私の息子・健太(仮名)が就労継続支援B型事業所「ソーシャルファーム・こころの実」に通い始めて1年が経ちました。自閉症スペクトラムと診断された健太は、高校卒業後の進路選択に悩みました。一般就労は難しいと感じる場面が多く、家族全員が不安を抱えていました。
就労B型事業所との出会いは、地域の障がい者支援センターでの相談がきっかけでした。「こころの実」では農作業を中心に、利用者それぞれの特性に合わせた作業プログラムを提供しています。初めは緊張していた健太も、徐々に自分のペースで作業に取り組めるようになりました。
特に印象的だったのは、感覚過敏のある健太に対する配慮です。音や光に敏感な彼のために、静かな環境で作業できるスペースが用意されました。また、視覚的なスケジュール表を活用することで、1日の流れが分かりやすくなり、不安感が軽減されました。
「こころの実」の魅力は、多様性を尊重する雰囲気です。スタッフは「できないこと」ではなく「できること」に焦点を当て、小さな成長を見逃しません。健太が丁寧に野菜を収穫できるようになった時には、スタッフから「健太さんの細かい作業は本当に素晴らしい」と評価されました。この言葉がきっかけで、彼は野菜の選別作業を任されるようになり、自信を持って取り組むようになりました。
工賃は決して高くありませんが、自分の働きが誰かの役に立つという実感は、お金では買えない価値があります。「こころの実」で栽培した野菜は地域のマルシェで販売され、健太は自分が関わった商品が売れる喜びを知りました。
就労B型事業所での日々は、社会参加の第一歩です。健太は同じ事業所の仲間たちと一緒に、地域のゴミ拾いイベントにも参加するようになりました。以前は人混みを避けていた彼が、少しずつ社会との接点を増やしています。
発達障がいのある人の就労支援は、一人ひとりの特性に合わせたアプローチが重要です。「こころの実」では月に一度、家族も参加できる面談があり、健太の特性や成長、課題について話し合います。この継続的なサポートが、健太の安定した通所につながっています。
「就労」という言葉には様々な形があります。一般企業での雇用だけが働き方ではなく、それぞれの個性や能力を活かせる場所が広がることを願っています。健太の笑顔を見るたび、多様な働き方を受け入れる社会の大切さを実感します。
障がいのある子どもを持つ親として、子どもの将来を見据えた福祉サービス選びは悩みの尽きない課題です。我が家も長男が就労移行支援を利用するまでに、いくつもの壁にぶつかりました。今回は実体験を元に、本当に役立つ障がい福祉サービスの選び方をお伝えします。
まず大切なのは「見学は複数回行く」ということ。最初の見学では良い面ばかり見せてくれるものです。私たちは最終的に「ウィズユー」という事業所を選びましたが、決める前に平日と土曜の2回見学し、実際の活動風景を確認しました。特に利用者さんの表情や職員との関わり方は見逃せないポイントです。
次に「スタッフの専門性」を確認しましょう。単に障がい者支援の経験があるだけでなく、就労支援員や精神保健福祉士など専門資格を持つスタッフがいるかどうかです。我が子の場合は発達障がいがあり、特性に合わせた支援が必要でした。面談時に具体的な支援方法を質問したとき、明確な回答がある事業所を選ぶべきです。
「保護者との連携体制」も重要です。月に一度の面談機会がある事業所と、必要時のみの事業所では大きな差があります。我が家が利用している事業所では月1回の個別面談があり、家庭での様子と事業所での様子を共有できるため、一貫した支援につながっています。
意外と見落としがちなのが「卒業後の実績」です。就労移行支援事業所なら就職率や定着率、生活介護なら卒業後の進路などを確認しましょう。数字だけでなく、どんな企業に就職しているか、どのような支援で定着につなげているかなど具体例を聞くことが重要です。
最後に「本人の意思を尊重する」ことが何より大切です。私たち親の希望だけで決めず、子ども自身が通いたいと思える場所を選ぶべきです。我が子は見学時に「ここなら頑張れる」と言った事業所で、実際に自信をつけて成長していきました。
福祉サービス選びに正解はありません。しかし、複数の事業所を比較検討し、本人の特性や希望に合った場所を選ぶことで、その後の人生が大きく変わることは間違いありません。焦らず、じっくりと選ぶ時間を大切にしてください。
障がい者グループホームは単なる生活の場ではなく、自立への重要なステップとなっています。ここでは「できない」と思われていたことが「できる」に変わる瞬間が日常的に生まれています。
グループホームの利用者Aさんは入居当初、自分で食事を作ることに不安を感じていました。しかし、スタッフのサポートと仲間との共同生活を通じて、今では週に3日は自分で調理をしています。「最初は野菜を切るのも怖かったけど、今は料理が楽しみになりました」と笑顔で話します。
社会福祉法人はばたきが運営する「はばたきホーム」では、日常生活のスキルだけでなく、就労に必要な能力開発にも力を入れています。時間管理や身だしなみ、通勤練習など、就労を見据えたプログラムが組まれ、利用者一人ひとりの可能性を広げています。
重要なのは「できることを増やす」という視点です。全てを一度にできるようになる必要はなく、小さな成功体験を積み重ねることで自信につなげていくアプローチが効果を上げています。例えば、最初は掃除の一部分だけを担当し、徐々に範囲を広げていくことで達成感を味わいながら能力を伸ばしていきます。
また、グループホームでは他の利用者との関わりを通じて社会性も育まれます。NPO法人ステップアップが提供する「まちなかホーム」では、利用者同士が助け合い、時には意見がぶつかることもありますが、それも含めて成長の機会となっています。
「できない」から「できる」への変化は、本人の努力だけでなく、適切な環境づくりも重要です。物理的なバリアフリー化はもちろん、心理的な障壁を取り除くためのコミュニケーション支援や、失敗しても大丈夫という安心感の提供が、挑戦する勇気を生み出しています。
グループホームから一般就労へとつながったBさんは「ホームでの生活が自信になりました。自分でできることが増えるたびに、世界が広がる感じがします」と語ります。この言葉こそが、グループホームでの支援が目指す本質を表しています。
障がいがあっても、適切な環境と支援があれば可能性は広がります。グループホームは単なる住まいではなく、自立と就労への重要な架け橋として、これからも多くの人の「できる」を増やし続けるでしょう。
障がいを持つ子どもの親にとって、「自分がいなくなった後、子どもはどうやって生きていくのか」という不安は計り知れません。この「親亡き後」の問題は、多くの家族が直面する切実な課題です。しかし近年、この不安を軽減する支援の仕組みが整いつつあります。
まず注目したいのは「成年後見制度」です。これは判断能力が不十分な人の権利を守るため、家庭裁判所が選任した成年後見人等が本人の財産管理や契約行為をサポートする制度です。また「日常生活自立支援事業」も、福祉サービスの利用手続きや金銭管理を支援してくれます。
住まいの面では、グループホームや共同生活援助など、地域で自立した生活を送るための住居形態が増えています。例えば社会福祉法人「ゆうゆう」が運営するグループホームでは、世話人のサポートを受けながらも自分らしく暮らせる環境が整っています。
就労面では、障害者就業・生活支援センターが仕事と生活の両面からサポートしています。全国に約330か所あるこのセンターでは、就労に関する相談から職場定着支援まで一貫したサービスを提供。ハローワークや障害者職業センターとも連携し、個々の能力に合った就労先を見つける手助けをしています。
さらに注目すべきは「就労継続支援A型・B型事業所」の存在です。パン工房「麦の穂」のようなA型事業所では雇用契約を結び最低賃金が保障される一方、B型事業所では能力や状態に合わせた作業で工賃を得られます。
経済的自立を支える仕組みとしては、障害基礎年金や特別障害者手当などの公的給付があります。また「NISA」や「iDeCo」といった一般的な資産形成手段も活用できますし、「特定障害者扶養信託(愛称:特例信託)」は相続税の非課税枠が設けられており、親が亡くなった後の生活費を計画的に残せる仕組みです。
これらの支援を組み合わせることで、「親亡き後」の不安は大きく軽減できます。ただし、これらの制度を最大限に活用するには早めの情報収集と準備が欠かせません。地域の障害者支援センターや社会福祉協議会などに相談し、ライフプランを立てておくことをお勧めします。障がい者が安心して働き、暮らし続けられる社会の実現に向けて、支援の輪はさらに広がっています。