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A型で見つけた可能性

〜自分らしく働く、その一歩から始まった物語〜

「働くって、自分には無理かもしれない」
そんな思いを抱えていたあの日から、今の自分は大きく変わりました。

就労継続支援A型事業所――それは、単なる「働く場所」ではなく、自分の力を信じ直す場所でした。今回は、ある人の視点から、A型事業所での出会いや気づき、そして見えてきた“可能性”についてお話ししていきます。


■ A型ってどんな場所?

まず、就労継続支援A型について簡単に説明します。

A型事業所とは、障がいや心の不調などによって一般企業での就職が難しい方が、雇用契約を結んだうえで働くことができる福祉サービスです。

  • 最低賃金以上の給与が支払われる

  • 雇用保険や労災の対象になる

  • 就職に向けた訓練や支援が受けられる

つまり、**「支援付きの職場」**として、多くの人の「働く」を後押ししています。


■ 不安だらけのスタート

通所初日。慣れない場所に緊張しっぱなしで、うまく話すこともできず、目も合わせられませんでした。

「こんな自分が本当に働けるのだろうか」
「迷惑をかけてしまうのではないか」

不安で胸がいっぱいだったけれど、スタッフの方々は焦らせることなく、一つひとつの動作をゆっくり教えてくれました。

「できるところから始めればいいんだよ」
その一言が、どれほど心強かったことか。


■ 少しずつ増えていった「できた」の実感

A型事業所では、多種多様な作業があります。
商品の袋詰め、ラベル貼り、データ入力、農作業、清掃、梱包など、事業所によって内容は異なりますが、どれも“自分の手でやる仕事”です。

最初は失敗ばかり。でも、回数を重ねるうちに少しずつ上達していき、次第に周囲から「ありがとう」「助かったよ」と声をかけてもらえるようになりました。

たったそれだけのことかもしれない。
でも、その「ありがとう」は、自分が誰かの役に立っている証拠。それがどれほど大きな自信になったか、言葉では言い表せません。


■ スタッフの支援がくれた安心感

この事業所には、本当に「寄り添う力」のある支援者がいます。

  • 体調が悪い日は無理をさせず、そっとフォローしてくれる

  • 苦手な作業は無理に押しつけず、得意を見つけようとしてくれる

  • 一人ひとりの声に耳を傾け、状況に合わせて対応してくれる

そんな日々の積み重ねが、「働く=怖いこと」という思い込みを少しずつほぐしてくれたのです。


■ 仲間との関係が生んだ希望

A型事業所には、同じように「働くことに不安を感じていた人たち」がたくさんいます。

だからこそ、お互いの小さな成長を誰よりも喜べる。
「それ、うまくなったね」
「体調よさそうで安心したよ」
そんなやり取りが自然と生まれます。

ここには、「競争」ではなく「共感」でつながる関係があります。
この関係性が、毎日ここに来る理由をつくってくれていました。


■ 一歩外に踏み出す勇気

A型で働き始めて1年。
以前の自分なら考えられなかった、「次のステップ」への気持ちが芽生えました。

  • ハローワークに行ってみる

  • 一般企業の面接にチャレンジしてみる

  • 資格取得に挑戦してみる

「できるかどうか」はまだ分からない。
でも、「やってみたい」と思えるようになった。
その気持ちこそが、自分の中に眠っていた“可能性”だったのです。


■ A型で働くという選択がくれたもの

振り返ってみると、A型での経験は、単にお金を得るだけのものではありませんでした。

  • 毎日起きて、決まった場所に通う生活習慣

  • 周囲との関係の築き方

  • 自分に合った働き方や強みの発見

  • 働くことへの恐怖心からの解放

どれも、“生きる力”そのものでした。

A型に出会わなければ、今の私はいなかったかもしれません。


■ A型の未来、そして社会へ

全国に広がるA型事業所は、今まさに再評価されています。
「福祉的就労」と「一般就労」の中間に位置するこの支援は、就職だけでなく、人生の再スタートを切る場としても大切な意味を持っています。

社会に出ることが怖い人。
自分を責めがちな人。
ブランクが長く、自信を失っている人。

そんな人たちがもう一度「自分の価値」に気づける場所として、A型事業所の果たす役割はこれからもっと大きくなるはずです。


■ まとめ:可能性は、ほんの一歩の先にあった

「A型で働くことにした」と言ったとき、少し驚かれました。
でも、今なら胸を張ってこう言えます。

「ここで働き始めたことが、私の人生を変えた」と。

すべての人が、それぞれのペースで生きていていい。
支援のかたちは一つじゃない。
可能性は、ほんの小さな「やってみよう」から始まる――。

もしあなたが今、働くことに迷いや不安を感じているのなら、A型という選択肢があることを思い出してください。

あなたの中にも、まだ気づいていない“可能性”がきっとあります。

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