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小田原

障害者支援の最前線:鴨宮での取り組み

神奈川県の西のほうにある鴨宮。静かな住宅街が広がり、駅のまわりにはお店もほどよく並び、なんとも落ち着いた雰囲気の町です。

そんな鴨宮では、障害のある人たちが安心して、そしてできるだけ「自分らしく」暮らしていけるようにと、地域全体での支援が少しずつ広がっています。今回は、この町で進んでいる障害者支援の取り組みについて、やさしい言葉でご紹介してみたいと思います。

暮らしの中にある支援

障害がある人たちの暮らしを支えるって、具体的にどんなことをしているの?と聞かれることがあります。実はすごくシンプルで、「できるところは自分でやって、ちょっと難しいところは手助けしてもらう」というスタイルなんです。

たとえば一緒にごはんを作ったり、お薬の管理を手伝ったり、お金の使い方を一緒に考えたり。ときには、落ち込んだ気持ちに寄り添ったりもします。

鴨宮では、こうした生活の支援をしてくれる「グループホーム」や「相談支援事業所」などがいくつもあります。スタッフさんたちは、利用者さんの「やってみたい」という気持ちを大事にしながら、一人ひとりに合った関わり方を日々考えています。

「住む場所」ってすごく大事

どこで、どんなふうに暮らすか。これは誰にとっても大事なことです。

鴨宮では、障害のある人たちが地域の中で暮らしていけるように、小さなグループホームがいくつも作られています。一人暮らしはまだ不安だけど、実家を出て自立したい――そんな声に応える場所です。

部屋は個室で、食事はみんなで食べたり、一人で食べたり自由。スタッフが常駐していて、困ったときにはすぐ相談できるようになっています。家庭的な雰囲気のなかで、ほっとできる空間が用意されています。

「ここが自分の家なんだ」って思える場所があること。それだけで、毎日がちょっとずつ前向きになっていくんです。

働くチャンスもちゃんとある

障害があるから働けない。そう思われがちだけど、実際にはいろんな働き方が用意されています。

鴨宮にも、「就労支援事業所」というところがあります。ここでは、軽作業や清掃、農作業、パン作りなど、利用者さんができそうな仕事を一緒に探してくれます。

朝から通ってお弁当を詰める仕事をする人、週に数回だけお菓子の袋詰めをする人、自分のペースでコツコツ作業をする人……みんなそれぞれのやり方で、社会とつながっています。

「ありがとう」「助かったよ」って言ってもらえる経験は、何よりも自信につながります。

地域とのつながりも大切に

ただ「暮らす」「働く」だけじゃ、ちょっと物足りない。人はやっぱり誰かと関わってこそ、生きてるって感じるものですよね。

鴨宮では、障害のある人たちが地域のイベントに参加したり、ボランティアをしたり、近所の人たちと挨拶を交わしたりするような、あたたかなつながりが少しずつ広がっています。

たとえば、商店街の清掃活動に参加したり、町内のお祭りに遊びに行ったり、公園の花壇づくりを一緒にやったり。「顔を見ればわかる」関係があることで、地域の中でちゃんと役割を持って生活できるようになるんです。

支援する人たちもまた支え合ってる

障害者支援って、正直に言うと大変なことも多いです。うまく伝わらなかったり、思い通りにいかなかったり、時にはトラブルも起きます。でも、鴨宮の支援者たちは「一人で抱え込まない」ことを大事にしています。

スタッフ同士がよく話し合ったり、相談したり、時にはお互いに愚痴をこぼし合ったりもして、支援者自身が疲れすぎないように工夫しています。

また、定期的な勉強会や研修もあって、新しい知識や考え方を学ぶ機会がたくさんあります。「もっと良い支援がしたい」っていう気持ちが、現場を支えるエネルギーになっているんです。

これからの課題もある

もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。鴨宮でも、高齢化する障害者への対応や、医療的ケアが必要な人への支援、障害の重い人が地域で安心して暮らすための仕組みづくりなど、まだまだ課題は山積みです。

それでも、この町では「まずはやってみよう」「話してみよう」という前向きな空気があります。正解がないからこそ、話し合って、工夫して、少しずつ前に進もうとしている。そんな小さな努力の積み重ねが、鴨宮の福祉を支えているんです。

おわりに

障害のある人も、そうでない人も、一緒に暮らせる町。そんな当たり前のようで、実はとても難しいことを、鴨宮では一歩ずつ実現しようとしています。

誰かを支えるって、特別なことじゃありません。日々の「おはよう」や「ありがとう」、ちょっとした気づかいや声かけが、大きな安心感につながります。

鴨宮での障害者支援は、決して派手なことをしているわけではありません。でも、ひとつひとつの取り組みが、とても人間らしくて、あたたかくて、「あ、こういう社会だったらいいな」と思わせてくれるものばかりです。

これからもこの町では、小さな輪が少しずつ広がっていくことでしょう。障害があってもなくても、誰もが「自分らしく」生きられる場所。それが、鴨宮という町の目指すかたちなのです。

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